再生デザインと軍艦島の動き
中村享一
世界文化遺産アジア学術検討会講演 in 北京
World CulturalHeritage Asia Academic Symposium in Beijing 2004.11.01

01.はじめに
02.軍艦島への提案と反応-
長崎の都市の再構築
03.21世紀に残す試金石
04.事例からの学習-別府
05.事例からの学習-豊後
06.事例からの学習-長崎
07.事例からの学習-桂離宮
08.建築と再生

09.建築再生デザイン会議
10.軍艦島再生の胎動
11.軍艦島への提案

12.まとめ
13.参考資料

Incubator (C)NACD

私が地球環境・保存問題・建築再生問題を意識し具体的に活動を始めたのは1990年代初頭からです。

1991年「長崎の都市の再構築」というテーマで日本建築家協会の設計コンペが行われました。経済優先の都市づくりに対しての問題点と大量に使用されている石油エネルギー時代の終焉を感じて、使われなくなった石油掘削船を、自然エネルギー調達機器を搭載した次世代の海上都市に改造し、長崎港の再生と軍艦島を救いに行こうと提案しました。

コンペは海外の建築家を多数含む審査委員によって審査され優秀賞を得たのですが、それ以上に発展、展開することはありませんでした。

日本建築家協会設計競技
主題「長崎の都市の再構築」

今や、廃墟となった端島(軍艦島)、計画地と端島との直線上には高島・三菱香焼100万トンドック・三菱長崎造船所がある。長崎という都市の象徴的な産業軸線である。計画地に石油採掘のためにつくられた古いフローティングリグを置き、掘削のための機械を取り除き、新エネルギーのための研究施設、または会議宿泊施設を取り込む。長崎の今日までの海洋、内燃機関を中心とするテクノロジーを核に、他の多くの技術移転をすることによってこのフローティングリグを新環境創造機として再生させる。好ましい環境のシステムを産み出すために時間と空間を用意する。そして、その再構築されたシステムをインキュベーション(孵化)させて、発信するためのマシーンが、Incubator(孵化機)である。

一宇一級建築士事務所
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