・旧大島小太郎邸保存活動支援
「市民が考える観光都市・唐津の未来像公開シンポジウム」佐賀新聞2010年6月20日掲載 パネリスト中村享一コメント抜粋 唐津は建築物と武士道が一体化された状態で残っている数少ない都市。その独自性をうまく利用すれば、観光資源以上の重要な意味を見いだすことができる。日本を代表する建築家の辰野金吾、曽禰達蔵、村野藤吾がなぜここで生まれたのか。唐津の風土が大きく影響していると思う。特に村野の建築には唐津の風土と密接な関係を感じる。城や塀の周辺で育った生活体験が、デザインという形で開花したように、彼らを生んだ唐津の土壌を評価すべきだ。 形ある物は多くのメッセージを与えてくれる。旧大島邸も建物があるからこそ大島小太郎の人間関係が後世に伝わる。彼が高橋是清に習い、そこに辰野金吾もいた。なぜ辰野があの場所に旧唐津銀行を設計したのか。そこには初代頭取の小太郎も関係しているはずだ。そういう人物との関係が一緒にあるのが歴史。物がなくなれば歴史も同時に消えてしまうことを考えてほしい。30年間と今を比べたとき、果たして好ましい景観に変遷してきたのかを顧みることで未来が見えてくる。大量消費の時代を追いかけるのか、真に豊かな都市像とは何なのか。ここに住む一人一人が考える時に来ている。
建築実測調査2010年2月10日
※大島小太郎とは 宮島醤油HP「去華就実」参照 ※保存活動の経緯
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